地図から消された島、大久野島探訪1

17:20 船に乗り込む

乗船の案内が掛かり船に乗り込む。すでに夕刻のこの時間、観光地である大久野島への乗客は、廃墟部の他にはあまりいないようだった。

忠海港

いよいよ出航。大久野島へはこの客船で約15分、短い船旅だ。せっかくなのでデッキで立つことにした。方向転換で忠海港がぐるっと見渡せる。小さな漁港に小さな客船のエンジン音が鳴り響く。

海面が近い

港を出て、忠海の町が次第に遠ざかっていく。小さな船なので海面スレスレの高さから引き波が見渡せる。迫力がすごい。

海上から見る呉線

山の方を見ると、ちょうど呉線の列車が走って行くのが見えた。本数そんな多くないはずなのにラッキーである。船の上から列車の走行風景を眺めるのってなかなか無いよね。傾き始めた陽の光が、カフェオレ色の車体に反射してきれいだった。

なお、余談だが呉線は海沿いのルートを走ることから、観光列車「瀬戸内マリンビュー」(三原〜広島)が土曜・休日に運行されている。臨時快速なので、座席指定券520円のみで乗れるのでお薦めです(2018年2月現在)。

大きな鉄塔が見えてきた

大久野島

大きな鉄塔がそびえ立つ島。大久野島だ。
一際存在感があるこの鉄塔は、昭和37(1962)年に建設された本州と四国を結ぶ送電線「中四連絡線」を支える送電鉄塔だ。忠海〜大久野島間の海上2,357mを結ぶため、鉄塔の高さは226mとなっており、建設当時には「世界一高い送電鉄塔」としてニュースになった。規模感を分かりやすく言えば、東京で言えば新宿三井ビル(225m)、大阪なら北浜タワー(209m)が小さな島にドーンと建っているようなものか。安易に比べられんけど。

廃墟

島の廃墟が見える。これから向かう発電所跡である。

上陸

つづく

【さい / 廃墟部】
参考文献・サイト
角川日本地名大辞典編纂委員会(2009)『角川日本地名大辞典 34 広島県』角川学芸出版
朝日新聞「世界一高い送電塔完成 広島県忠海と大久野島」1962年8月19日朝刊(東京・4頁)
Wikipedia 幸陽船渠(2018.2.10参照)
休暇村大久野島【公式】 アクセス(2018.2.16参照)

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