FMトランスミッターで繋げたiPodのBGMを聴きながら、琵琶湖西岸のバイパスを北上する。
行き先は滋賀県伊香郡木之本町(※1)の山奥にある、土倉鉱山跡である。
京都駅前のマツダレンタカーで借りた軽自動車で、山奥の鉱山跡へ向かう。
今回の廃墟部は助手席に鷹輔氏、後部座席にゆ◎さん、そしてハンドルを握る僕の三人だ。鉱山好きのはむっちさんは補講だったかバイトだったかで予定が合わず、残念ながら来れなかった。
木之本町の市街地を走行していると、ふいに年季の入った歩道橋が目に入った。
なんだこれ。思わず車を停めた。
もしかして廃歩道橋かと思ったら現役だった。屋根がついているのは雪国仕様だろうか。
滋賀県は北部と南部で気候が違い、北部は豪雪地帯に指定されている(木之本町の北隣である余呉町(※2)は特別豪雪地帯)。
冬場になるとよく東海道新幹線が大雪で遅れるのも、滋賀県北部と関ヶ原越えがルート上にあることが影響している。
大雪シーズンにはこの辺りもすごいことになるのだろうか。
滋賀の持つ意外な一面をチラ見してしまったが、これから向かう土倉鉱山はどんな感じになっているのか、期待と不安が入り混じる。車で行ければいいけど。
木之本町の市街地から離れ、国道303号で山奥へと車を走らせる。山間部が目的地なのは毎回恒例である。
滋賀県って一見、琵琶湖が県の半分くらいを占めているように見えるが、琵琶湖の面積が滋賀県に占める割合は6分の1。意外と山深い地域も多くあり、中には廃村も存在する。
木之本町の市街地を離れてから数十分。
長いトンネル、山あいに昔ながらの家々が立ち並んだ金居原の集落を抜け、旧道への分岐に差し掛かった。
旧道は冬期通行止めになっており塞がれていた。土倉鉱山跡はこの旧道の先に存在するが、車はここまで。
ここから歩いて行ける距離だったかな…。
以前、一人でバイクに乗って訪問したことがあったが、どれほどの距離だったかは忘れてしまった。
念のために場所を確認しようと、トランクに積み込んでいたノートPCを起動した。イーモバイルは余裕で圏外。携帯も全くだめ。(まだiPhoneがなかったのは時代ですね)
そう遠くなかったはずだと当時の記憶を信じ、旧道を歩くことにした。奈良県で廃村へ向かった時もそうだったが、廃墟部は車を目的地手前に停めて歩きがちである。
旧道はかつて国道だったとは思えないほどの幅の狭さだ。かつてはこの道を大型ダンプが行き交うこともあったのだろうか。
なお、分岐した現道は国道303号金居原バイパスとして整備されており、写真左上の崖の上を通る。
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